経営戦略型就業規則の一部を御紹介します。
貴社ではこんなことでお困りではありませんか?
1、誰に適用される就業規則なのか明確にする。
- 誰に適用される就業規則なのか、規定が明確でない。
パートタイマーの社員から、「退職金の支給を要求された。」、「特別休暇の取得を要求された。」など、正社員と同じ処遇を求められてしまった。
2、同期入社なのに定年の日は別?そんなことって・・・
- 定年の定めをしっかりしていないと、こんなことも起こりかねません。
そんな会社の就業規則は・・・
(定 年) 従業員の定年は満60歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。 |
いったい、いつ満60歳に達するのか、この規定でははっきりしません。
誕生日の前日に、その年齢に達しています。
3、人事異動を拒否した社員
- マイホームを新築して間もない社員から転勤を拒否されてしまいました。
そんな会社の就業規則は・・・
(人事異動) 1 会社は、業務上必要がある場合は、社員の就業する場所又は従事する業務の変更を命じることがある。 |
4、退職する社員から残りの有給休暇をまとめて請求されてしまった。
- とかく年次有給休暇は取得しきれず、たまりがちになります。
もしも、未消化の年次有給休暇を多く抱えた社員が退職することになったら、その社員から会社を辞めるまでに年次有給休暇を全部取りたいと言われても、会社は拒否できません。
どうしても退職日の前の何日かは出社してもらわなければ困ると思っても、退職までの日数が限られていると、取得時季を変更することもできません。
就業規則の規定を工夫して日ごろからの年次有給休暇の消化促進をはかりましょう。
そたとえばこのような規定では・・・
(年次有給休暇) 1 各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。 ―中略― 6 当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。 |
このような単純な規定では、毎年の繰り越し分がどんどんたまってしまいます。
5、社員が自己都合退職しても業務に支障が生じないような規定になっていますか。
とある会社の就業規則は・・・
(退 職) 前条に定めるもののほか、従業員が次のいずれかに該当するときは、退職とする。 ・退職を願い出て会社から承認されたとき、または退職願を提出して14日を経過したとき ・期間を決めて雇用されている場合、その期間を満了したとき ・第9条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないとき ・死亡したとき |
退職に関する定めをこれしかおいていないということ自体に大いに問題がありそうです。
6、試用期間中に解雇することになった場合どうしますか。
- 能力を期待して他社から引き抜いて社員。期待が大きくはずれ、高い報酬に見合った働きぶりが全く期待できないため、試用期間中に解雇しようとしましたが本人は「就業規則に書いてある解雇の事由に該当しない。」と解雇に応じようとしません。
そんな会社の就業規則は・・・
(試用期間) 1 新たに採用した者については、採用の日から「○か月間」を試用期間とする。ただし、会社が適当と認めるときは、この期間を短縮し、又は設けないことがある。 2 試用期間中に従業員として不適格と認められた者は、第○条(「解雇」の条文)の定めに従い解雇することがある。 ―以下略― |
試用期間中の社員の場合、どのような理由で解雇されるのか、明らかにしておくべきでしょう。単純に、「第○条の定めに従い」とするのはトラブルのもとになります。
7、仕事上、日曜日にどうしても出社してもらわなければならなくなり、替わりに木曜日に休んでもらったところ社員から時間外手当を請求されてしまった
- 労働基準法で社員に1週間に1日の休日を与えることを義務付けられています。これが法定休日です。法定休日は日曜日とは限りません。
会社の業務の都合上、どうしても休日出勤させなければならないことが生じた場合、就業規則に振替休日の定めを規定し、あらかじめ替わりの休日を指定して休日出勤させても時間外手当の支給は不要です(ただし、週40時間を超えて労働させた分があれば、その時間の時間外手当の支給は必要となります。)。
これに対して、就業規則などに振替休日に関する規定がない場合やあらかじめ替わりの休日を特定することなく休日出勤させた場合は時間外手当の支給が必要となります。
そんな会社の就業規則は・・・
就業規則に「振替休日」の規定がない。 |
8、生理休暇をとったために年休が付与されない?
- 労働基準法では、生理休暇の取扱いについての詳細は定められていません。
たとえば、年次有給休暇の算定の際に生理休暇を取得した場合は、その日はどのように取り扱えばよいのでしょうか。
いざというときにもめないためにも、就業規則に明示しておきましょう。
とある会社の就業規則は・・・
(生理休暇) 生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があったときは、必要な期間休暇を与える。 |
9、病気で休職していた社員が職場復帰してすぐにまた休みはじめてしまった。
- 私傷病により休職となった社員が、いったんは職場に復帰したもののすぐにまた、休みはじめてしまいました。どうしたらよいでしょう。
そんな会社の就業規則は・・・
(復職) 1 休職期間中に、休職の事由が消滅したときは、復職させる。 2 前項の場合において、会社は社員に休職事由が消滅したことを証明するために、医師の診断書等の書類の提出を命じることができる。 |
10、会社の健康診断を受けていなかった社員が、過労で倒れた!
- 「仕事が忙しいから。」という理由で定期健康診断を受けていなかった社員が、倒れてしまいました。
しかも医師の診断で、「過労によるもの。」とでてしまいました・・・。
そんな会社の就業規則は・・・
(健康診断) 1 従業員に対しては、入社の際及び毎年1回深夜業その他特定有害業務に従事する者は6か月ごとに1回、定期に健康診断を行う。 2 前項の健康診断の結果必要と認めるときは、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。 |
11、社員の職務発明に対する対価をめぐって数百億円の請求訴訟を起こされてしまった。
- 社員が職務上研究・開発業務に携わり、発明したものは「職務発明」とされます。
職務発明については、その発明に関して特許を受けた場合には特許法に基づき会社側が「通常実施権」を持ちます。
しかし、会社が職務発明を独占的に利用できるようにするためには社員に「相当の対価」を支払い「専用実施権」を取得する必要があります。
「相当の対価」をめぐっては、社員から会社側に対して数千万円、数億円単位の支払いを求め裁判で争われるケースも多発しています。
あなたの会社の就業規則は、大丈夫ですか?
これらのほかに、経営戦略型就業規則では、次のような会社のトラブルに対応しています。
会社のパソコンを使った業務に関係のないHPの閲覧や私用メールの規制はできていますか?
会社に無断で自家用車で通勤したり自家用車を業務に使用したりする社員が交通事故を起こしたらどうしますか?
セクハラを理由に会社が訴えられる?
今後、会社に対するコンプライアンス(法令順守)の社会的な要求はますます高まることが予想されます。
会社で働く社員のルールを規定する就業規則の役割は大変重要です。
就業規則に定めることなく、これまでの社内慣例を根拠にして「うちの会社はこうすることになっている。」「いままでもこうしてきた。」といったことは通用しません。
就業規則の作成にあたっては会社のルールがはっきりとわかるようにすること、そのルールが法律に適合していることが大切です。
そのような前提を踏まえた上で、会社経営の向上に資するような就業規則を作り上げていくことが必要なのではないでしょうか。
経営戦略型就業規則があなたの会社を守ります